2014-10-21

フィンランドデザインを買う前にしたいこと。



今回は、以前ここでも少しご紹介したヘルシンキカードのお話です。
「デザインが好きだから。」という理由でフィンランド旅をするはずなのに、
お買い物するだけで終わっていませんか?


ヘルシンキは、コンパクトな街ながら実に多くの素晴らしいミュージアムが存在します。
フィンランドのミュージアムの一番の魅力は、「デザイン」との距離感です。
多くの作品や、昔の貴重な資料や道具などの、息づかいが聞こえるような近さで見学ができます。
そして、それぞれ個性を持った建物の中に入れるのも、ミュージアムに行く大きな理由の1つになるでしょう。





とは、言っても少ない日程の旅では、たくさん観れないのも現実。
そこで!サルミアッキ的、お得で効率の良いミュージアムのまわり方を考えながら実践してみました!w

使うのは、この1枚のヘルシンキカードだけです。






これがあれば、ほとんどのミュージアムが無料で入場できて、

さらにトラムやメトロなどの市内の交通機関も乗り放題です!
値段は、大人1日券が39ユーロですが、しっかりお得なコースを考えたのでご安心下さいw






まず最初に宿泊先からトラムで向かったのは、アモスアンダーソンアートミュージアムです。
こちらは、10時からオープンしているので、最初に選びました。
個人所蔵のミュージアムとしては、フィンランドで一番大きいらしく、
最上階には、アモスさんのプライベート礼拝室も残されています。
現代アートの企画展も多く、この日、 TOMMI TOIJA の「Mutatis mutandis」展を見学しました。
この夏、マーケット広場で不気味な巨人の像が立っていたのをご覧になられた方も多いかと。
その方の作品でした。不気味でグロテスクで、見てはいけないような、でも目を背ける訳にはいかない。
人間の深い好奇心と、薄気味悪いものから沸き上がる不思議な美しさを感じられる。そんな作品たち。
私たちは、この展覧会で彼の作品の大ファンになりました。


http://www.amosanderson.fi















次に向かったのは、熊の像でおなじみの国立博物館です。
ここには、フィンランドの石器時代からの、生活の道具が時代を追って展示してあります。
その国の風土、環境、美的感覚、自然、宗教、いろんなもので形づくられていく道具たち。
身近な生活の道具や、漁業や農業で使われたきた仕事の道具、女性たちを美しく飾る装飾品に
室内を飾る調度品などなど。
とにかく難しいこと抜きに、見ているだけでも楽しめるのでオススメです。


















http://www.nba.fi/en/nationalmuseum















そして、休憩がてら向かったのは、ヘルシンキシティミュージアムの1つ、ハカサルミヴィッラ。
こちらは、いつ来ても入場無料のミュージアムで、ヘルシンキ市を紹介する展覧会が開催される場所です。
この時は、1950年代のヘルシンキにスポットを当てた展覧会でした。
当時のヘルシンキ市の街の様子や人々のファッションや生活などが垣間みれて、
多くの素晴らしいデザインが生まれた時代に、思いを馳せることができました。

敷地内にあるカフェで、シナモンロールとコーヒーで休憩。

庭は、小さいですがイングリッシュガーデンがあり、ヘルシンキのまた違った一面が感じられると思います。














そしてトラム10番に乗って向かったのが、デザインミュージアムです。

こちらは、毎回必ず訪れるミュージアムです。
名の通り、私たちが思い描くようなフィンランドデザインが常設してあり
自分が持っている食器や家具などが、「1つのデザイン」として展示してあるのを見ると
感慨もひとしおです。
さらに、開催されている企画展も、見逃せないものばかり!
デザインミュージアムは、毎回、展示方法が本当に美しくデザインされていて、見る者を圧倒します。
今回は、家具のデザインナーとして有名な、イルマリ・タピオヴァーラ生誕100周年記念展が
開催されていました。
我が家でもお世話になっている、ファネットのダイニングセットも展示されていて
あらためて、その美しさに魅了されてしまいました。
地下には、ワークショップのスペースもあったりと、デザインと触れ合えるのも嬉しい配慮です。






















http://www.designmuseum.fi
















デザインミュージアムから徒歩ですぐの場所にある、建築ミュージアムへ。
ちいさなミュージアムですが、フィンランドの代表的な建物の写真や設計図や模型などが展示されています。
何気なくヘルシンキの街を歩いていて、何となく目に入っていた建物が、
内部は、こんな構造になっていたんだ!と、地味にテンション上がりましたw
さらに、ミュージアム自体の建物の美しさも一見の価値があります。
少し専門的な展示なので、建築ファンの方にオススメのミュージアムです。






















http://www.mfa.fi















そして次は、トラム10番と6番を乗り継いで、少し離れたアラビアファクトリー内にある
アラビアミュージアムへ!
今回は、トーベヤンソン生誕100周年を記念して、アラビアのムーミンマグ展が開催中でした。
ここは、企画展だけでなく奥にある常設展をぜひとも観て頂きたいです。
1873年創業のアラビアの長い歴史の、ほんの一コマではありますが、代表的な作品が展示してあります。
もしかしたら、みなさんがお持ちのヴィンテージのカップなどの年代やデザイナーが
見つかるかもしれません。
ちなみに、イッタラのショップで50ユーロ以上のお買い物の時にヘルシンキカードを提示すれば、
15%の割引がありますのでお忘れなく!w(有効期限内のカードが有効です。)






















http://www.designmuseum.fi/arabia













そして、もう一度、トラムの6番で中心部に戻ってアテネウム美術館へ。
ただ、この日は、トーベヤンソン生誕100周年記念の展覧会で、長蛇の行列!w
並んで観る時間はなかったので、この日は断念しましたが、水曜と木曜の閉館時間が
20時までなので夕方からでもゆっくり楽しめます。スケジュールの後半に入れるのがオススメです。
国内最大級のコレクションを誇る国立美術館は、歴史の重みを感じられます。
翌日にお金を出して(ヘルシンキカードの期限が切れていたのでw)トーベヤンソン展を観ましが
アニメムーミンの印象ではなく、表現者としてのトーベヤンソンの深い才能や魅力を感じられる展覧会でした。
日本でも今週から、巡回展として全国5カ所をまわります。
まずは、横浜から。→トーベヤンソン展 その後、北海道、新潟、福岡、大阪























http://www.ateneum.fi














そして、最後に目指したのは、近代美術館キアズマです。
こちらも、水曜、木曜、金曜は、20:30までオープンしているので、スケジュールの最後にしました。
中に入ると、特徴的な大きなスロープが、展示室へのアプローチになっています。
現代アートの美術館なので、その展示内容は、いつも革新的で画期的
この時は、マリメッコとのコラボした展覧会、KIMPASSA展が開催されていました。
キアズマとマリメッコにゆかりのあるデザイナーたちの合同展だったので、
おのずとフィンランドの代表的なデザイナーたちの作品展となっていました♪
キアズマは、現在改装工事中で閉館しています。来年の3月リニューアルオープンの予定です。

















http://www.kiasma.fi







以上のスケジュールで、ミュージアム8カ所。トラムに乗った回数は、最後宿泊先に戻るまでに計6回。
ミュージアムの入場料だけで60ユーロ、トラムの運賃が15ユーロ必要です。
合計75ユーロが、ヘルシンキカード39ユーロですべてまかなえてしまいます!
今回、私たちはかなりハードなスケジュールを組んで実践してみました(笑)
でもミュージアムの営業時間帯や場所を考慮し、そしてよりフィンランドを知れる場所を選んで
スケジュールを組んであります。みなさんの限られた旅程を、有効に使って楽しんで頂くための参考になれば!





みなさんも大好きなアラビアの器や、イッタラのグラス、マリメッコの洋服などが

なぜこんなに長い間、愛され続けるのでしょうか。

歴史的背景の中、より求められたフィンランドらしさ。

そんなフィンランドの個性を様々な角度から見ることで、本当の魅力が見えてくると思います。
深く知ったり感じたりすることで、手に入れたフィンランドデザインが単なるモノから
本当に愛着のわく、大切な1つに生まれ変わってくれるはずです。


「フィンランドデザインを買う前にしたいこと。」















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